
いざという時、確実に稼働させる。
命と設備を守る
自家用発電機の負荷運転試験

消防法における
点検方法の改正について
自家発電設備は、長期間無負荷で運転するとエンジン内にカーボンが堆積し、緊急時の動作不良を引き起こす原因となります。このため消防法では「年1回の総合点検」が義務付けられていますが、平成30年(2018年)の法改正により、従来の「30%以上の負荷運転」に加え、「内部観察等」や「予防的な保全策」を行うことでも要件を満たすことが可能になりました。
平成30年の消防法改正により、点検の選択肢が広がりました

法令に基づく3つの点検・保全手法の比較
1. 負荷運転点検
模擬負荷試験機を使用し、定格出力の30%以上の負荷をかけて運転状況を確認します。
- エンジン本来の性能確認が可能
- 堆積カーボンの燃焼・排出に最も効果的
2. 内部観察等
内視鏡などを用い、エンジン内部(シリンダ等)の劣化やカーボンの堆積を直接確認します。
- 狭小地など、試験機の搬入困難な現場に有効
- 部品の劣化状況を視覚的に把握可能
3. 予防的な保全策
エンジンオイルなどの消耗部品を毎年計画的に交換し、不具合を未然に防止する手法です。
- 負荷運転等が最長6年間免除される
- 設備の長寿命化に直接寄与
負荷運転点検について
実負荷運転と模擬負荷運転の大きな違いは、施設の停電の有無です。模擬負荷運転は専用の装置を使用するため、施設を停電させずに済むという大きなメリットがあります。
無負荷や低負荷での運転が続くと、エンジン内にカーボンが堆積し、緊急時の故障リスクが高まります。定期的な負荷運転を行うことで、堆積したカーボンを高温で焼き切り(燃焼・排出)、エンジン本来の性能を維持することが可能です。

模擬負荷試験機の実施イメージ
主な確認内容と部位
内部観察等について
- 点検箇所:シリンダヘッド、排気管、過給機(ターボチャージャー)内部。
- 確認事項:ボアスロープ(内視鏡)を用いた非破壊検査により、カーボン付着状況や部品の摩耗・損傷状態を視覚的にチェックします。
- プロセス:エンジンを分解することなく、細部まで精緻に観察し、異常の兆候を早期に発見します。

過給機のサイレンサー及び過給機ダクトを取り外し、コンプレッサ及びタービン翼の内部を確認する。
コンプレッサ翼及びタービン翼に運転に支障を及ぼすじんあいや燃焼残さ物等の付着していないこと、損傷や欠損がないことを確認する。
※異常がある場合には清掃等により除去する。

過給機を取り外した部分から排気管内部を確認する。
(過給機がない場合は、排気管出口の可とう菅継手等を取り外して内部を確認する。)
排気管や排気ダクト内部に運転に支障を及ぼす未燃燃料や燃焼残さ物が付着していないことを確認する。
※異常がある場合には清掃等により除去する。

燃料噴射弁を取り外し、作業させて、噴射状態と噴射圧力を確認する。
燃料噴射弁の試験器を使用して、
①燃料噴射弁の開弁圧力が製造者の指定範囲であること。
②噴射口に詰まりがなく、燃料の噴霧状態が均一で微細に霧化されていること
③燃料噴射弁先端から燃料の液だれがないこと
を確認します。
異常がある場合は、燃料噴射弁の開弁圧力の調整、清掃等を行う。

シリンダヘッドを取り外し、シリンダ摺動面等の内部を確認する。
または、燃料噴射弁を取り外し、取付穴から内視鏡を挿入し内部を確認する。
シリンダライナ摺動面に運転に支障を及ぼす損傷や摩耗がないことを確認する。